M&Aの補助金・税制活用で成功する経営戦略

企業の成長戦略や事業承継の手段として、M&A(合併・買収)が近年ますます注目されています。しかし、M&Aには多額の資金が必要となるため、補助金や税制を上手く活用することが、コスト負担を軽減し成功へと導く重要なポイントになります。本コラムでは、M&Aにおける代表的な補助金や税制の概要について解説します。
中小企業庁が実施する「事業承継・引継ぎ補助金」は、後継者不在の中小企業の円滑なM&Aを支援するための制度です。
- 対象:M&Aによる事業承継を行う中小企業
- 補助対象経費:M&Aに関わる仲介手数料、デューデリジェンス費用、専門家費用など
- 補助率:1/2~2/3(上限800万円)
M&A後の設備投資や新規事業展開に活用できる補助金です。
- 対象:M&Aを通じて新規事業や事業転換を行う企業
- 補助対象経費:設備投資、システム導入、販路開拓費用など
- 補助率:1/2~2/3(上限1億円)
M&Aを通じて企業の競争力を強化することを目的とした税制優遇措置です。
- 概要:M&Aに関わる費用の70%を損金算入できる
- 対象:株式取得によるM&Aで、取得価額が10億円未満
- メリット:法人税負担を軽減し、M&Aをよりスムーズに実行可能
- 注意点:M&A成約時の5年後から以後5年間で均等に益金算入される
成長意欲のある中堅・中小企業がM&Aを通じてグループ化を推進し、経営資源の集約化を図る際に、税制上の支援を受けられる制度です。
- 概要:M&Aに関わる費用の90%(2回目以降は100%)を損金算入できる
- 対象:株式取得によるM&Aで、取得価額が1億円以上100億円以下
- メリット:法人税負担を軽減し、M&Aをよりスムーズに実行可能
- 注意点:M&A成約時の10年後から以後5年間で均等に益金算入される
M&Aにおける株式の譲渡に関する税負担を軽減する制度です。
- 概要:事業承継時の贈与税・相続税を100%猶予
- 対象:親族内承継およびM&Aによる第三者承継
- メリット:承継時の税負担を大幅に軽減
- 事前に要件を確認する
- 各制度には適用要件があるため、事前に専門家(税理士・M&Aアドバイザー等)と相談することが重要。(例えば経営資源集約化税制の申請にはGビズIDが必要。GビズIDの取得にも2週間程度時間を要するため、事前に準備しておくことが必要となる)
- 申請スケジュールを把握する
- 補助金は募集期間が限られているため、適切なタイミングで申請を行う。
- 税制も申請、承認まで時間を要するため(経営資源集約化税制は1か月程度)進めているディールのスケジュール間をしっかり確認し、売主サイドを含めて事前に仲介者に伝えておくことが重要。(税制を優先するあまり、スケジュールが遅延しディールがダメになってしまったら元も子もないため)
- M&Aの目的に応じた制度を選ぶ
- 事業承継目的なら「事業承継補助金」、設備投資なら「ものづくり補助金」など、目的に応じて適用できる制度を選択。
4. まとめ
M&Aには多額の資金が必要ですが、適切な補助金や税制を活用することで、資金負担を軽減しながらスムーズに事業承継や成長戦略を進めることが可能です。M&Aを検討する際は、これらの制度を活用することで、より有利な条件で取引を進められるでしょう。しかし、上述した通り、各制度については事前の準備や申請手続もあり、一定の時間も要するため、専門家と相談しながら各制度を検討することが必要です。
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