M&A基礎知識

赤字でも会社売却は可能?方法から成功のポイントまで徹底解説

赤字決算が続いている状況で会社売却を検討する際、「本当に売却できるのか」「買い手が見つかるのか」と不安を抱く経営者は少なくありません。

しかし実際には、赤字の要因や将来性、事業の戦略的価値によって、会社売却を成立させることは可能です。

本記事では、株式譲渡を中心に、赤字会社の売却の進め方や債務・経営者保証の扱い、売却価格の考え方について解説します。

あわせて、株式譲渡が成立しにくい場合に検討される代替手段として事業譲渡についてや、売却を成功に導くためのポイント、実際の事例も紹介します。

M&Aフォースでは業界に精通した専門チームが、貴社の強みを最大限に引き出すM&A戦略をご提案します。 M&Aに関して、少しでもご興味やご不安がございましたら、まずはお気軽に当社の無料相談をご利用ください。 専門のコンサルタントが、お客様の未来を共に創造するパートナーとして、親身にサポートさせていただきます。

      『M&A無料相談』を利用してみる      

M&AフォースではM&Aコンサルティングの最新事情がわかる資料をご用意しています。会社の価値がわからない、会社の価値がどう決まるのか知りたいという方は「“売れる”会社のヒントにつながる9つの質問」をダウンロードしてください。

 

赤字決算でも会社売却が可能な理由

赤字決算であっても、会社売却が成立するケースは少なくありません。その理由は、買い手が企業を評価する際、単純な損益の良し悪しだけで判断しているわけではないからです。

買い手は自社の経営資源や既存事業と組み合わせた際に、どのような展開が可能かという視点で検討を行います。その結果、単独では赤字であっても、買収後の運営次第で十分に価値を生み出せると判断される場合があります。

買い手が赤字会社に注目する代表的な視点は、以下のとおりです。

買い手の視点 概要
事業の活用余地 買い手の販路・顧客基盤・運営ノウハウを投入することで、事業改善や再成長が見込めるか
既存基盤の有無 技術、人材、顧客、設備など、事業運営の土台がすでに整っているか
参入スピード 新規事業としてゼロから立ち上げるより、短期間で市場参入できるか
戦略的な位置づけ 既存事業の補完や将来戦略において意味を持つ事業か

このように、赤字という結果そのものよりも、事業がどのように使えるかが評価の軸です。そのため、赤字決算を理由に売却を諦めるのではなく、どのような買い手にとって価値を持ち得るのかを整理することが重要です。

赤字会社のM&Aは可能?売却できる理由や手法を徹底解説

赤字会社を売却する方法

本章では、会社売却を主に株式譲渡による売却として説明します。一方で、赤字の内容や事業状況によっては、株式譲渡での売却が難しいケースもあります。そのような場合に検討される選択肢として、事業譲渡があります。

本章では、まず株式譲渡による会社売却の仕組みを解説し、あわせて事業譲渡を検討すべきケースについて整理します。

株式譲渡で会社売却をする仕組み

株式譲渡は、会社の株式を買い手に売却することで、経営権そのものを移転させる方法です。

この方法では、株主が変わるだけで会社の法人格はそのまま存続します。そのため、従業員の雇用契約や取引先との契約、許認可なども原則として維持されたまま引き継がれます。

このように、株式譲渡は事業の継続性を保ちやすい一方で、いくつかの注意点もあります。

以下は、株式譲渡の主なメリットとデメリットを整理した表です。

株式譲渡のメリット 株式譲渡のデメリット
手続きが比較的簡便で、迅速に進められる 会社を丸ごと引き継ぐため、簿外債務などのリスクも買い手が負うことになる
従業員や取引先への影響を最小限に抑えられる 債務超過の場合、買い手が見つかりにくい
許認可や契約関係をそのまま引き継げる 買い手はデューデリジェンス(買収監査)を慎重に行う必要がある

会社売却の完全ガイド|メリット・注意点から相場・流れまでを徹底解説

事業譲渡を検討すべきケース

事業譲渡は、会社の一部または全部の事業を切り出して売却する手法です。株式譲渡とは異なり、会社そのものではなく、事業に関連する資産や負債、契約などを個別に選んで譲渡します。

株式譲渡による会社全体の売却が難しい場合に、有力な選択肢です。

事業譲渡が検討される代表的なケースは以下のとおりです。

  • 複数の事業のうち、不採算事業のみを譲渡したい場合
  • 会社全体が債務超過であり、株式譲渡の買い手が見つからない場合
  • 買い手が特定の事業や資産のみに関心を示している場合

 以下は、株式譲渡と事業譲渡の違いを整理した表です。両者の違いを理解することで、自社の状況に適した手法の選択に役立ちます。

項目 株式譲渡 事業譲渡
売却対象 会社の株式(経営権) 特定の事業(資産・負債・契約など)
会社 存続(株主が変わる) 存続(売却後も会社は残る)
手続き 比較的簡便 個別の契約移転が必要で煩雑
許認可 原則として引き継がれる 原則として再取得が必要

事業譲渡は売り手・買い手双方にとってリスクを限定できるメリットがありますが、手続きが煩雑になる点に注意が必要です。

赤字会社を売却した場合の債務の扱い

会社売却を検討する経営者にとって、会社の借入金や自身の連帯保証がどうなるかは大きな関心事でしょう。

債務の扱いは、株式譲渡と事業譲渡で異なります。そのため、それぞれの違いを理解することが重要です。

本章では、赤字会社を売却する際の債務の扱いについて解説します。

株式譲渡における債務の基本的な考え方

株式譲渡では、会社の株式を買い手に譲渡するため、法人そのものが存続します。その結果、会社名義で負っている金融機関からの借入金や未払金、リース債務なども原則としてそのまま引き継がれます

債務を含めて会社全体を一体として承継する点が、株式譲渡の基本的な特徴です。

売却後は、経営権が買い手に移転し、新たな株主のもとで会社が事業運営と債務返済を継続します。そのため、売り手である旧経営者が、会社の借入金を返済する立場になることはありません。

経営者保証や債務超過が論点になるケース

中小企業の借入では、経営者個人が連帯保証人となっているケースがあります。

株式譲渡によって経営権が移転しても、この経営者保証が自動的に解消されるわけではありません。保証解除や変更には、金融機関の承諾が必要です。

そのため、売却を進める際には、買い手と連携しながら金融機関と交渉することが重要です。具体的には、買い手が新たに保証を引き受ける、返済条件を見直すなど、個別の調整が求められます。

事業譲渡を選択した場合の債務の扱い

事業譲渡では、譲渡対象となる資産、契約、負債を個別に定められます。そのため、買い手に引き継ぐ債務を限定できる点が大きな特徴です。

例えば、特定の事業に関連する資産や従業員のみを譲渡し、借入金などの債務は会社に残すといった設計も可能です。

一方で、事業譲渡後も法人格は売り手側に残るため、残存する債務の返済や整理は引き続き売り手が対応する必要があります。

事業譲渡によって資金を確保し、その資金を用いて債務整理や清算を進めるケースも少なくありません。

どの債務を残し、どの事業を譲渡するかは、全体の出口戦略を踏まえて慎重な検討が重要です。 

このように、赤字会社の売却では、選択する手法によって債務や経営者保証の扱いが大きく変わります。
以下は、株式譲渡と事業譲渡の違いを整理した表です。

手法 債務の扱い 経営者保証の扱い
株式譲渡 会社とともに買い手に引き継がれる 自動的に解消されず、金融機関との交渉が必須
事業譲渡 契約で定めた範囲のみ買い手に移転し、残りは売り手側に残る 対象債務が移転すれば保証も移る可能性があるが、交渉が必要

赤字会社の売却価格の算出方法

赤字会社の売却価格は、現在の資産価値だけでなく、将来生み出す可能性のある価値や、買い手にとっての戦略的な価値が総合的に評価されます。

本章では、赤字会社の売却価格の算出方法について解説します。

赤字会社でも評価対象となる主な要素

赤字であっても、以下のような要素は企業価値としてプラスに評価される可能性があります。

  • 将来の収益性:
    直近では赤字であっても、事業計画や市場動向を踏まえたうえで、中長期的に黒字転換が見込める場合は評価の対象です。例えば、一時的な投資負担や先行コストによって赤字となっているケースや、特定の取引先拡大が見込まれている場合などは、将来キャッシュフローを基準に評価される場合があります。
  • 無形資産:
    独自の技術力やノウハウ、特許、ブランド力、長年培ってきた顧客基盤、専門性の高い人材などは、貸借対照表には表れにくいものの、買い手にとっては重要な価値です。特に、他社が容易に模倣できない強みや、特定業界での実績は、赤字であっても企業価値を下支えする要素として評価につながります。
  • シナジー効果:
    買い手の既存事業と統合することで、売上拡大やコスト削減が期待できる場合、その相乗効果も企業価値に含まれます。具体的には、販路共有による売上拡大やバックオフィス統合によるコスト削減、技術・人材の相互活用などです。単独では赤字でも、グループ全体での収益改善が見込まれるケースがあります。

このように、赤字会社であっても、評価の視点次第では十分な売却価値が認められるケースがあります。自社の強みや将来性を正しく整理し、適切な方法で企業価値を見極めることが、納得のいく売却価格につながります。

赤字会社で用いられる代表的な評価手法

企業価値評価には複数のアプローチがありますが、赤字会社の場合は特にコストアプローチが重視される傾向にあります。

評価アプローチ 概要と赤字会社への適用
コストアプローチ 会社の純資産(資産-負債)を基準に企業価値を算出する方法。
赤字で利益が出ていなくても算定可能で、客観性が高いため、赤字会社のM&A実務では評価のベースとして多く用いられる。

代表的な手法:時価純資産法(貸借対照表上の資産・負債を時価に修正して評価)
インカムアプローチ 将来生み出す利益やキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する方法。

赤字会社の場合、将来予測の不確実性が高く、単独での採用は難しいため、黒字化計画が明確な場合に補助的に使われることが一般的。

代表的な手法:DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)

マーケットアプローチ 類似する企業や過去のM&A取引事例と比較して企業価値を算出する方法。

赤字会社は比較対象となる事例が限られるため、評価の精度にばらつきが出やすく、参考指標として用いられるケースが多い。

代表的な手法:類似会社比較法、類似取引比較法

基本的には時価純資産をベースとし、将来性や無形資産といった要素を加味した結果として、のれん(営業権)が発生し、最終的な売却価格は交渉によって決定されます。

実質的に価格がつかないケースの考え方

債務超過が深刻で、将来性も見込めない場合、売却価格が1円などの実質的な無償譲渡となるケースもあります。

売り手にとっては金銭的な対価は得られないものの、従業員の雇用を維持し、廃業や清算に伴うコストやリスクを回避できる点が大きなメリットです。

一方、買い手にとっても、一定の事業基盤や人材を引き継いだうえで再建に取り組めるため、条件次第では合理的な選択となる場合があります。

実質的な無償譲渡であっても、債務や契約の引き継ぎ条件は慎重な整理が求められます

赤字で会社売却が困難なケース

すべての赤字会社が売却できるわけではなく、買い手にとってリスクが大きすぎると判断された場合、売却は困難です。

本章では、どのような場合に会社売却が困難になるのかを解説します。

構造的に収益改善が見込めない場合

赤字の原因が一時的なものではなく、事業構造そのものに問題がある場合、会社売却は困難になりがちです。

買い手は、経営者を交代させることで事業の立て直しが可能かどうかや、中長期的な成長余地があるかを重視します。そのため、構造的な課題を抱える企業は評価が下がりやすいです。

特に、以下のような状況では売却のハードルが高くなると言えます。

  • 業界全体が縮小・衰退局面にある
  • 市場ニーズと商品・サービスが乖離している
  • 価格競争に陥り、利益を出せないビジネスモデルになっている

誰が経営しても黒字化が難しいと判断されると、再建コストが過大だと評価され、買い手の検討対象から外されるケースが多いです。

財務や法務のリスクが大きい場合

買い手は、買収後に想定外の損失が発生するリスクを強く警戒します。そのため、財務面・法務面で不透明な要素が多い会社は、売却が難航しがちです。

特に問題視されやすいのは、以下のようなリスクです。

  • 未払いの残業代や社会保険料
  • 帳簿に反映されていない簿外債務
  • 過去の取引に関する紛争やトラブル
  • 許認可の更新・継続に不安がある状態

これらのリスクが整理されていないと、買い手は正確な企業価値を算定できません。その結果、売却条件の大幅な引き下げや、交渉自体が中止される原因になります。

売却準備が不十分な場合

会社売却では、事業内容や財務状況、将来の見通しを客観的に説明できる状態を整えておくことが重要です。準備不足のまま交渉に臨むと、買い手の検討が進まず、売却機会を失うおそれがあります。

準備不足と判断されやすい例としては、以下が挙げられます。

  • 事業の強みや改善余地を説明できない
  • 財務資料が古い、または数字の整合性が取れていない
  • 将来の事業計画が曖昧で根拠が示せない

買い手は限られた情報をもとにリスク判断を行うため、情報開示が不十分だと不信感につながります。その結果、交渉が途中で打ち切られるケースも少なくありません。

赤字でも会社売却を成功させるためのポイント

前章で解説したとおり、構造的に収益改善が見込めない赤字会社は、会社売却が困難になる傾向があります。一方で、赤字に至った要因を整理し、改善の余地や将来的な黒字化の道筋を示せる場合には、赤字であっても売却が成立するケースは少なくありません。

赤字という厳しい状況でも、適切な準備と戦略をもって臨むことで、会社売却を成功に導くことは可能です。

本章では、特に重要となる4つのポイントを解説します。

赤字の理由を整理し説明できるようにする

赤字で会社売却を進めるうえでは、赤字に陥った原因を客観的に整理し、買い手に対して論理的に説明できる状態を整えることが不可欠です。

赤字の背景が不明確なままだと、買い手は将来のリスクを正しく判断できず、評価が大きく下がってしまいます

特に、以下の点は整理しておく必要があります。

  • 赤字が一時的な要因(先行投資・一過性のトラブル)によるものか
  • 事業構造や市場環境など、恒常的な問題によるものか
  • 現在進めている改善施策と、その効果が見込まれる時期

改善策や黒字化への道筋を具体的に示せれば、買い手は将来性を評価しやすくなり、交渉を有利に進めることにつながります。

売却のタイミングを見誤らない

赤字会社の売却では、タイミングが成否を大きく左右します。資金繰りが完全に行き詰まり、選択肢が限られた状態では、買い手を見つけること自体が困難です。

重要なのは、経営に余力がある段階で動き出すことです。

例えば、以下のような状況であれば、赤字であっても買い手から前向きに評価されやすく、売却条件も整いやすいと言えます。

  • 借入返済は続けられている
  • 赤字幅が縮小し始めている
  • 事業改善の兆しが見え始めている

赤字案件に強い専門家を選定する

M&Aの専門家と一口に言っても、得意とする案件のタイプはさまざまです。赤字会社の会社売却は難易度が高いため、赤字案件や再建型M&Aの実績がある専門家を選ぶことが重要です。

赤字案件に強い専門家は、以下のような点で価値を発揮します。

  • 赤字要因を整理し、評価ポイントを明確にする
  • 表面化していない強みや将来性を言語化する
  • 赤字会社でも関心を持つ買い手層を把握している

単に買い手を探すだけでなく、評価される見せ方まで支援できるかどうかが、専門家を選定する際の重要な基準です。

早期にM&A仲介会社に相談する

会社売却は、検討を始めてから成約に至るまで、半年から1年以上かかることも珍しくありません。そのため、売却を本格的に決断していない段階であっても、早めの専門家への相談が有効です。

多くのM&A仲介会社では、秘密保持契約を締結したうえで、初期段階の相談やアドバイスに対応しています。第三者の客観的な視点を取り入れることで、自社の立ち位置や売却の現実性を冷静に把握しやすくなります。

また、株式譲渡と事業譲渡のどちらが適しているのか、売却に向けてどのような準備が必要かといった点についても、早い段階から整理できるため、準備不足による判断ミスや交渉上の不利を回避しやすくなります

M&Aフォースでは業界に精通した専門チームが、貴社の強みを最大限に引き出すM&A戦略をご提案します。 M&Aに関して、少しでもご興味やご不安がございましたら、まずはお気軽に当社の無料相談をご利用ください。 専門のコンサルタントが、お客様の未来を共に創造するパートナーとして、親身にサポートさせていただきます。

      『M&A無料相談』を利用してみる      

赤字会社の会社売却事例

実際に、赤字であっても売却された事例は数多く存在します。

本章では、株式譲渡と事業譲渡の代表的な事例をそれぞれご紹介します。

株式譲渡により赤字会社を売却した事例

事例:セブン&アイ・ホールディングスによる通信販売のニッセンホールディングスの株式譲渡

セブン&アイ・ホールディングスは2024年5月、長年赤字が続いていた子会社の通信販売大手、ニッセンホールディングスの全株式を、医療機関向け通販の歯愛メディカルに売却しました。

この事例は、売り手側にとっては赤字事業の整理による経営効率化、買い手側にとっては既存事業とのシナジー創出という、双方の戦略が一致したケースと言えます。

ニッセンは、カタログ通販を中心に高い知名度を持つ一方、EC化の進展や競争激化の影響により赤字が続いていました。セブン&アイ・ホールディングスは、グループ戦略の見直しを進める中で、不採算事業を切り離し、中核事業へ経営資源を集中させる判断に至ったと考えられます。

買い手の歯愛メディカルは、歯科医院や医療機関への通信販売を主力事業とする企業であり、取引先の多くが女性医療従事者である点に着目しています。ニッセンホールディングスが保有する幅広い年齢層の女性顧客基盤と商品開発力を取り込むことで、歯愛メディカルの既存顧客層とシナジーを生み出し、新たな需要への対応や事業領域拡大を図る戦略です。

本件は、赤字という財務状況のみで判断されるのではなく、売り手が有する顧客基盤や運営ノウハウ、長年培ってきたブランド価値が、買い手の成長戦略と合致したことで、株式譲渡による会社売却が実現した事例と言えます。

M&A事例の概要
売り手(譲渡会社) 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
買い手(譲受会社) 株式会社歯愛メディカル
対象会社 株式会社ニッセンホールディングス
手法 株式譲渡
背景・目的 売り手は、グループ全体の経営資源を集中させるため、不採算事業の整理を目的。買い手は、ニッセンが持つノウハウや顧客基盤を獲得し、新たな需要への対応や事業領域拡大を図る狙い。

(参考:セブン&アイ・ホールディングス|当社子会社(孫会社)の株式譲渡及びそれに伴う特定子会社異動のお知らせ

事業譲渡で赤字事業を整理した事例

事例:日本郵政によるかんぽの宿事業売却

日本郵政は2021年10月、長年赤字が続いていたかんぽの宿事業(宿泊施設)の大部分を、複数の事業者に分割して事業譲渡することを発表しました。

同事業は2007年の民営化以降、恒常的な赤字が続いていました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年度には損失が拡大し、経営環境が一段と悪化しました。これらが、今回の事業譲渡に至った背景です。

こうした状況を踏まえ、日本郵政は経営の健全化と企業価値の維持を目的に、宿泊事業をホテル運営のノウハウを持つ事業者へ譲渡する判断を下しました。譲渡後は各施設が買い手企業のもとで運営を継続しています。

この事例は、会社全体ではなく特定の事業のみを売却することで、不採算部門を切り離し、本業への経営資源集中を実現したものです。

M&A事例の概要
売り手(譲渡会社) 日本郵政株式会社
買い手(譲受会社) 株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント(ホテル運営会社)など複数社
対象事業 宿泊事業:かんぽの宿
手法 事業譲渡
背景・目的 売り手は、本業である郵便・金融事業に経営資源を集中させるため、赤字の宿泊事業を切り離すことを決定。買い手は、既存の宿泊施設を比較的低コストで取得し、自社の運営ノウハウを活かして再生する狙い。

(参考:日本郵政グループ│当社の一部事業の譲渡について

赤字会社の売却は早期判断と準備が成否を分ける

赤字決算が続いている状況でも、会社売却は不可能ではありません。買い手は、現在の財務状況だけでなく、独自の技術や顧客基盤、将来の成長可能性といった潜在的な価値を評価します。

成功のためには、赤字の理由を明確に説明し、自社の強みを客観的なデータで示すことが重要です。

何よりも大切なのは、手遅れになる前に行動を起こすことです。

経営に少しでも余力があるうちに、信頼できるM&Aの専門家に相談し、客観的なアドバイスを受けることが、最善の道を見つけることにつながります。

M&Aフォースでは業界に精通した専門チームが、貴社の強みを最大限に引き出すM&A戦略をご提案します。 M&Aに関して、少しでもご興味やご不安がございましたら、まずはお気軽に当社の無料相談をご利用ください。 専門のコンサルタントが、お客様の未来を共に創造するパートナーとして、親身にサポートさせていただきます。

      『M&A無料相談』を利用してみる      

M&AフォースではM&Aコンサルティングの最新事情がわかる資料をご用意しています。会社の価値がわからない、会社の価値がどう決まるのか知りたいという方は「“売れる”会社のヒントにつながる9つの質問」をダウンロードしてください。

 

澤口 良太
監修者

社外取締役(財務)・公認会計士・税理士 澤口 良太

北海道札幌市出身。2003年の学校卒業後、税理士事務所で勤務しながら税理士・公認会計士の資格を取得。KPMGあずさ監査法人を経て、TOMAコンサルタンツや辻・本郷ビジネスコンサルティングでファイナンシャルアドバイザリーサービス(FAS)の責任者を歴任。2020年、独立。澤口公認会計士事務所にて経営やM&Aアドバイザリーを展開している。上場・非上場を問わず企業のオーガニックソースやM&Aによる成長戦略、再生戦略の立案実行をハンズオンにて支援し、多数の実績を有する。2022年のM&Aフォース設立当初から、社外取締役として参画している。

Contact

お電話でのお問い合わせ

03-6206-8241

営業時間:9:00-17:30

お問い合わせ M&A無料相談