SES事業のM&A完全ガイド|相場と評価指標・失敗しない進め方

SES業界では市場環境の変化やエンジニア不足などの要因で、M&Aによる事業承継や事業拡大が活発化しています。同業者間のM&Aも増加しており、自社の将来を考えM&Aを検討し始めた経営者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SES事業のM&Aにおける最新動向から具体的な事例、売却相場とM&A手法、メリット・デメリット、相談先まで徹底解説します。
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SES事業とは

SES(System Engineering Service)とは、ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用など特定の業務に対し、エンジニアの技術力を提供するサービスを指します。
契約形態は準委任契約が基本となり、エンジニアの労働力や労働時間に対して対価が支払われます。指揮命令権はSES企業側にあり、成果物の完成責任は負いません。
SESと混同されやすい請負契約、派遣契約との違いを以下にまとめました。
| 契約形態 | 準委任契約(SES) | 請負契約 | 労働者派遣契約 |
| 目的 | 特定業務の遂行 | 仕事の完成 | 労働力の提供 |
| 指揮命令権 | SES企業 | 開発会社 | クライアント(派遣先企業) |
| 成果物責任 | なし(善管注意義務を負う) | あり | なし |
| 報酬の対象 | エンジニアの労働時間・工数 | 完成した成果物 | 派遣スタッフの労働時間 |
M&Aで事業を売却する際は、クライアントとの契約形態も企業価値評価における重要なポイントです。
SES業界を取り巻く現状と課題

本章では、変革期を迎えるSES業界の現状と課題について解説します。
売上高と市場動向
企業のDX推進やクラウド化の流れを受け、IT投資は年々増加しており、国内のIT市場規模は2022年の6兆734億円から、2027年には7兆177億円に達する見込みです。SES業界の市場規模も拡大傾向にあります。
一方でSES事業に参入する企業も増え、価格競争により利益が伸び悩む企業も少なくありません。今後は、専門性の高いサービスを提供するなど、付加価値を高めなければ生き残りが難しくなることが予想されます。
(情報参照元:産業労働局invest Tokyo「IT分野」)
課題1.IT人材不足
IT業界全体で深刻な人材不足が続いており、経済産業省の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足するとも予測されています。
SES企業においてもエンジニアの採用に苦戦し、事業拡大が困難になるケースが見られます。また、プロジェクトの要求とエンジニアのスキルが合わない人材ミスマッチも大きな課題です。
職種別では、上流工程のプロジェクトマネージャー(PM)や基盤構築・設計、システムアーキテクトが不足の傾向にあり、自社での採用・育成に限界を感じる企業が増えています。
さらにSESには低賃金や案件の当たり外れといったネガティブなイメージがつきまとい、ハイスキルなエンジニアほど転職・独立する傾向が顕著なことも業界共通の課題です。
(情報参照元:
経済産業省「IT人材供給に関する調査(概要)」
厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業 調査報告書(令和6年3月)」)
課題2.開発需要の縮小傾向
IT市場全体では需要が拡大する一方、古い技術領域では開発需要が縮小し、案件獲得が困難な傾向にあります。企業の業績悪化やコロナ期の反動によるIT予算の削減、さらに生成AIの影響もあり、次の案件獲得までエンジニアを待機させるケースが増加しました。
待機中も給与支払いは発生するため、特定の技術領域に特化したSES企業は収益が圧迫されるケースが少なくありません。今後SESで生き残るには、技術領域の拡大や顧客基盤の多角化が不可欠です。
課題3.多重下請け構造
SES業界は元請け(SIer:システムインテグレーター)から二次請け、三次請けへと再委託される多重下請け構造が一般的です。下層では以下の弊害に見舞われることが少なくありません。
| 課題 | 具体的な内容 |
| 収益性の低下 | 下層の企業ほど中間マージンが抜かれ、利益率が圧迫される。 |
| 資金繰りの悪化 | 支払いサイトが長くなり、キャッシュフローが悪化しやすい。 |
| エンジニアの処遇 | 低単価での受注を余儀なくされ、エンジニアの給与や待遇を改善しにくい。 |
| キャリア形成の阻害 | エンジニアが上流工程の経験を積みにくく、スキルアップの機会が限定される。 |
結果として、優秀なエンジニアがより待遇の良い企業や商流の浅い企業へ流出し、企業の競争力低下を招くことにもなりかねません。
SES企業のM&A動向

本章では、近年のSES業界におけるM&Aの動向を解説します。
人材確保を目的としたM&Aの増加
近年は人材確保を目的としたM&Aが増加しており、今後も増えることが予測されます。
IT業界全体でエンジニアの採用競争が激化しており、自社の採用活動だけで事業拡大に必要な人材を確保するのは困難な状況です。しかしM&Aを活用すれば、スキルや経験を持つエンジニアチームを一度に獲得できます。
売り手側は大手企業の傘下に入ることで、エンジニアに多様なキャリアパスや福利厚生を提供でき、人材の定着が期待できます。M&Aは売り手・買い手双方の人材問題解決に効果的です。
同業者間のM&Aの増加
同業者間のM&Aも増加傾向にあります。SES企業の多くが単独での事業運営に限界を感じ、同業者との統合によって生き残りを図ろうとしています。
異なる技術領域に強みを持つ企業同士が統合すれば、対応できる案件の幅が広がり、顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供できる可能性が高まります。スケールメリットを活かせば大手クライアントのプライム案件も獲得しやすくなるはずです。
エンジニアの待機率改善や管理部門の統合といった事業の効率化にもつながり、経営基盤の盤石化を図れます。
SES事業のM&A事例

本章では、近年のSES事業に関連するM&Aの代表的な事例を目的別に紹介します。
【ロールアップ/直請・評価指標強化】TWOSTONE&Sons × Carecon(株式譲渡・完全子会社化)
2024年9月30日、TWOSTONE&Sonsは、エンジニアと企業のマッチングサービスを手がけるCareconの全株式を取得し、完全子会社化しました。
TWOSTONE&Sonsは、複数の企業を買収して事業規模を拡大するロールアップ戦略を積極的に進めています。
本M&Aの目的は、両社の顧客基盤やエンジニアのデータベースを共有し、クロスセルにつなげることです。特に、ジュニア層のエンジニア人材領域におけるシェア拡大が期待されています。
| 買い手 | 株式会社TWOSTONE&Sons |
| 売り手 | 株式会社Carecon |
| スキーム | 株式譲渡 |
| 目的 | 事業領域拡大、エンジニア支援強化 |
(情報参照元:株式会社Carecon「株式会社TWOSTONE&Sonsグループへの参画について」)
【事業整理・人材/顧客のスピンアウト】BTM × Laniakea(SES事業の事業譲渡)
2025年3月24日、BTMは、機械学習に強みを持つLaniakeaからSES事業を譲り受けました。
BTM社は全国のIT人材活用を掲げており、Laniakea社が抱える優秀なエンジニアと顧客基盤を引き継ぐことで、事業拡大のスピードを加速させる狙いです。
一方、売り手側のLaniakea社は複数の事業を展開する中で、経営資源をWeb3関連事業へ集中させるためにSES事業の売却に踏み切りました。
BTMはAI活用における一気通貫サービスの提供を目指します。
| 買い手 | BTM株式会社 |
| 売り手 | 株式会社Laniakea |
| スキーム | 事業譲渡 |
| 目的 | 事業の選択と集中(売り手)、事業規模拡大(買い手) |
(情報参照元:株式会社BTM「BTM Laniakea 株式会社の事業を譲り受け、AI 領域の技術力を強化」)
【後継者不在の発展的解決】情報戦略テクノロジー × AKプラス(株式取得・段階的子会社化)
2025年2月13日、情報戦略テクノロジーは、インフラ・クラウド系SI企業のAKプラスの子会社化を決定し、2段階に分けて全株式を取得しました。
後継者不在の課題を抱えていたAKプラス社は、従業員の雇用と事業の発展を願い、M&Aによる事業承継を決断しました。
買い手である情報戦略テクノロジー社は、金融領域のシステム開発に強みを持つAKプラス社をグループに迎えることで、システム内製化支援事業の領域拡大と技術者育成の強化を見込んでいます。
| 買い手 | 株式会社情報戦略テクノロジー |
| 売り手 | 株式会社AKプラス |
| スキーム | 株式取得 |
| 目的 | 後継者問題の解決(売り手)、人材・ノウハウの獲得(買い手) |
(情報参照元:株式会社情報戦略テクノロジー「株式会社エー・ケー・プラスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」)
SES事業のM&A相場

本章では、M&Aにおける会社の価格(企業価値)の相場と算出方法を解説します。
売却相場の算出方法
中小企業のM&Aでは、比較的計算がシンプルな年買法(年倍法)が目安として用いられることがあります。年買法は、会社の純資産額に、数年分の営業利益(のれん代)を上乗せして企業価値を算出する方法です。
企業価値 = 時価純資産 + 営業利益 × 3~5年分
SES事業の場合は人材の価値や将来性が重視されるため、営業利益の3年~5年分がのれんとして評価されるのが一般的です。ただし、これはあくまで簡易的な目安であり、実際の価格は後述する専門的な評価や交渉によって決まります。
企業価値・株主価値の評価方法
M&Aの実務では、より専門的なバリュエーションによって企業価値を評価します。バリュエーションには主に以下の3つのアプローチがあり、これらを組み合わせて多角的に価値を判断するのが一般的です。
| 評価アプローチ | 概要 | メリット | デメリット |
| コストアプローチ | 会社の純資産価値に着目(時価純資産法など) | 客観性が高く、算出が比較的容易 | 会社の将来の収益性を直接反映できない |
| マーケットアプローチ | 類似する上場企業の株価やM&A事例に着目(類似会社比較法など) | 市場での評価を反映でき、客観性も高い | 比較対象として適切な類似企業が見つからない場合がある |
| インカムアプローチ | 会社が将来生み出すキャッシュフローに着目(DCF法など) | 事業計画などの将来性を価格に反映できる | 将来予測の精度に結果が大きく左右される |
最終的な売却価格は上記の評価額をベースに、買い手との交渉によって決定されます。特にSES事業では、在籍エンジニアのスキルや顧客基盤といった無形資産も価格を左右する重要な要素です。
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SES事業M&Aの2つの手法

SES事業のM&Aでは主に株式譲渡と事業譲渡の2つの手法が用いられます。
| 比較項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
| 譲渡対象 | 会社そのもの(株式) | 会社の一部の事業(資産、負債、契約など) |
| 手続き | 比較的簡便(株主の合意、株式譲渡契約) | 煩雑(資産・負債の個別移転、契約の再締結) |
| 法人格 | 存続する | 存続する |
| 許認可 | 原則として引き継がれる | 原則として再取得が必要 |
| 買い手のメリット | 会社を丸ごと引き継げる | 必要な事業だけを選んで買収できる |
| 売り手のメリット | 手続きが簡単で、創業者利益を得やすい | 不採算事業だけを切り離せる |
株式譲渡
株式譲渡とは、売り手企業の株主が保有する株式を買い手企業へ売却し、会社の経営権を包括的に買い手へ移転させる手法です。
中小企業のM&Aにおいて多く用いられる手法であり、手続きが比較的簡単な点が特徴です。従業員との雇用契約やクライアントとの取引契約などは、原則としてそのまま維持されます。
経営者個人が保有する株式を売却するため、売却対価は株主である経営者個人が受け取ります(創業者利益)。
事業譲渡
事業譲渡とは、会社の一部または全部の事業を、買い手企業に売却する手法です。
売却する事業を個別に選択できることが特徴で、買い手は必要な資産や人材だけを引き継ぎ、不要な負債(簿外債務など)を引き継ぐリスクを避けられるメリットがあります。
ただし、事業に関連する資産や負債、契約などを個別に移転させる必要があるため、手続きが煩雑になる傾向があります。従業員の転籍にも個別の同意が必要です。
SES事業M&Aのメリット

本章ではSES事業のM&Aにおける売り手側、買い手側双方のメリットを解説します。
売り手側のメリット
売り手にとってのM&Aは後継者不在の問題を解決し、事業を持続的に成長させる有効な手段です。
大手企業の傘下に入ることで、自社単独では困難な大規模案件の受注や、エンジニアの待遇改善が可能になり、事業基盤の強化につながります。経営者自身が個人保証や借入金といった重圧から解放され、精神的・経済的な安定を得られることもメリットです。
買い手側のメリット
買い手にとって最大のメリットは、優秀な人材を即座に確保できる点です。採用市場が激化する中で、M&Aは即戦力のエンジニアを一括で獲得できる恩恵は大きいといえます。
自社と異なる技術領域に強みを持つ企業を買収すれば、効率的な事業多角化が可能です。両社の技術力や顧客基盤を組み合わせることで、新たなサービスの創出やクロスセルの実現といったシナジー効果が期待できます。
SES事業M&Aのデメリット

M&Aにおいてはデメリットやリスクも把握する必要があります。以下では売り手側、買い手側のデメリット・リスクをリストアップし、それぞれの対策も挙げていきます。
売り手側のデメリット
売り手側は、交渉過程でのリスクやM&A後の変化に留意しましょう。
| デメリット・リスク | 主な対策 |
| 希望条件で売却できない可能性 | 企業価値を高める努力を重ね、最適なタイミングで売却する。 |
| 従業員の離職 | トップ面談で買い手の経営理念や文化を確認し、従業員へ丁寧な説明を心がける。 |
| 情報漏洩のリスク | M&A仲介会社と秘密保持契約を締結し、情報管理を徹底する。 |
| 経営の自由度の低下 | M&A後も経営に関与したい場合、その条件を事前に交渉しておく。 |
買い手側のデメリット
買い手側は、買収後に想定外の問題が発生するリスクを最小限に抑える必要があります。
| デメリット・リスク | 主な対策 |
| 簿外債務の引き継ぎ | 弁護士や会計士によるデューデリジェンス(買収監査)を徹底する。 |
| 人材の流出 | キーパーソンとなるエンジニアの処遇やキャリアパスについて、丁寧にコミュニケーションを図る。 |
| PMI(統合プロセス)出のシナジー未達 | 事前に入念な統合計画を立て、企業文化の融合を慎重に進める。 |
| 想定したシナジーが得られない | M&Aの目的を明確にし、過度な期待ではなく現実的な事業計画を立てる。 |
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『M&A無料相談』を利用してみる →SES事業を高値で売却できるポイント

SES事業を高値で売却するためには、買い手に魅力的な強みを持つことが不可欠です。自社の状況を客観的に把握し、以下のポイントで企業価値の最大化を図りましょう。
- 多数のエンジニアを抱えている
- 専門性の高いエンジニアが在籍している
- 買い手が求める技術や言語を習得したエンジニアがいる
- 特許を保有している
- 海外企業との協業実績がある
多くのIT企業にとって優秀なエンジニアの確保が喫緊の課題となっているため、在籍エンジニアの数は買い手の大きな関心事です。買い手の事業戦略と売り手側のエンジニアの保有スキルがマッチすれば、買収後のシナジー効果を明示できます。
プロジェクトマネージャー(PM)やITアーキテクトといった上流工程を担える人材や、特定の技術領域に深い知見を持つエンジニアの存在も、企業価値を高める要因です。独自技術の特許や海外企業との取引実績も、他社との明確な差別化につながります。
特に、クラウド、AI、セキュリティといった先端分野の専門技術を持つ企業は買い手から高く評価されることが一般的です。
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SES事業を売却する際の注意点

SES事業の売却を成功に導くためには、計画的かつ慎重な進行が不可欠です。以下のポイントを事前に理解し、適切な準備をすることで売却プロセスを円滑に進められます。
- 売却・M&Aの期間を十分に確保する
- 信頼できる売却先を選ぶ
- 売却が確定してから従業員に情報を公開する
- デューデリジェンスの準備を徹底する
事業を早期に売却しようと交渉を焦ると、自社に不利な条件で契約してしまう恐れがあるため、M&Aのスケジュールには余裕を持たせることが大切です。
売却先には自社の企業文化を尊重し、従業員の雇用を継続的に確保できる体制を持つ企業を選ぶことが望ましいです。ただし相手が優良企業であっても、M&Aの噂が広まると従業員間に不安が広がり、事業運営に支障が出る可能性があります。売却が確定する前に情報が漏洩しないよう留意してください。
さらに、デューデリジェンス(買い手による企業調査)に備えて財務、法務、人事関連の資料を整理し、正確な情報を迅速に提供できる体制を整えておくと、後の交渉がスムーズです。
M&A専門家の支援を受けながら、一つずつ確認しながら進めていきましょう。
SES会社のM&A流れ

SES会社のM&Aの大まかな流れは以下の通りです。
| ステップ | 主な活動内容 | 期間の目安 |
| 1. 相談 | M&A仲介会社などの専門家へ相談する | 1週間~1カ月 |
| 2. 現状のヒアリング・提案 | 企業情報のヒアリング、企業価値の簡易算定、M&A戦略の提案を受ける | 2週間~1カ月 |
| 3. 契約 | M&A仲介会社などと提携仲介契約を締結する | 1週間~2週間 |
| 4. 企業概要書の作成 | 買い手候補に提示する詳細な企業資料を作成する | 1カ月~2カ月 |
| 5. マッチング・トップ面談 | 買い手候補を選定し、交渉や経営者同士の面談を行う | 2カ月~4カ月 |
| 6. 基本合意契約締結 | 譲渡価格やスケジュールなどの基本条件について合意する | 2週間~1カ月 |
| 7. 買収監査(デューデリジェンス) | 買い手によって、売り手企業への詳細な調査が実施される | 1カ月~2カ月 |
| 8. 最終契約書の締結 | 最終的な条件交渉を行い、法的に拘束力のある契約を締結する | 2週間~1カ月 |
| 9. クロージング | 譲渡代金の決済、株券などの引き渡しを行い、経営権を移転する | 1カ月程度 |
上記の手続きが完了しM&Aが成立した後に、事業の統合プロセス(PMI)へと移行します。PMI完了までには数カ月単位の時間がかかることが一般的ですが、双方の取引関係や企業規模などによっても異なります。
SES事業のM&Aの相談先

M&Aには高度な専門知識を要するため、信頼できる専門家のサポートが欠かせません。本章では主な相談先と特徴を解説します。
取引先金融機関
日頃から付き合いのある銀行や信用金庫などの金融機関は、身近な相談先の一つです。自社の経営状況を理解してくれているため、話を進めやすい点がメリットです。
ただし、M&Aを専門的に扱っている部署や担当者がいるとは限りません。また、紹介される買い手企業が同じ金融機関の取引先に限定されやすく、最適なマッチングが期待できない可能性もあります。
M&A・事業承継専門の士業
M&Aには法務や税務、財務といった専門知識が不可欠なため、弁護士や公認会計士、税理士などの士業もM&Aの有力な相談先です。契約書の作成や法的なリスクの洗い出し、財務状況の分析といった特定の分野において、専門的なサポートを得られます。
ただし、M&Aのプロセス全体を統括する能力や、買い手候補を探すネットワークについては限定的です。
事業承継・引き継ぎ支援センターなどの公的機関
事業承継・引き継ぎ支援センターは、国が各都道府県に設置している公的な相談窓口です。後継者不在に悩む中小企業の支援を主な目的としており、小規模なM&A案件を多く扱っています。無料で相談できることもメリットです。
ただし、あくまでも中立的な立場での助言が中心であり、交渉の代理や成約まで手厚いサポートを期待するのは難しい側面があります。
M&Aマッチングサイト
近年、インターネット上で売り手と買い手を結びつけるM&Aマッチングサイトも増えています。比較的低コストで利用でき、時間や場所を選ばずに多くの買い手候補を探せる手軽さが魅力です。
ただし、相手探しから交渉、契約手続きまで、基本的には自社で進める必要があります。M&Aに関する専門知識や交渉経験が求められるため、M&Aのプロセスに精通しているか、別途専門家のサポートを得られる場合には有効な手段といえます。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aの専門家として相談から相手探し、交渉、契約締結、クロージングまで一貫してサポートしてくれます。
豊富な経験と独自のネットワークを活かし、自社に最適な買い手候補を探し出してくれることが特徴です。また、複雑な交渉や手続きの代理を依頼でき、企業価値評価などについても専門的な知見にもとづくアドバイスを受けられるため、初めてのM&Aでも安心して進められます。
SES業界に精通し、実績豊富な仲介会社を選ぶことがM&A成功の秘訣です。
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『M&A無料相談』を利用してみる →SES事業のM&A成功は信頼できるパートナー選びから

SES業界を取り巻く環境は、人材不足や構造的な課題により、今後ますます厳しさを増すと予測されます。このような状況下で、M&Aは後継者問題の解決や、企業の持続的な成長を実現するための有力な経営戦略です。
M&Aを円滑に進めるためには、自社の強みを正しく評価し、最適な相手を見つけ、複雑な交渉や手続きを乗り越える必要があります。M&Aの相談相手には高度な専門知識と豊富な実績を持ち、信頼できるパートナーを選択してください。
M&Aフォースでは業界に精通した専門チームが、貴社の強みを最大限に引き出すM&A戦略をご提案します。 M&Aに関して、少しでもご興味やご不安がございましたら、まずはお気軽に当社の無料相談をご利用ください。 専門のコンサルタントが、お客様の未来を共に創造するパートナーとして、親身にサポートさせていただきます。
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