M&A基礎知識

M&A相談先おすすめ9選を徹底比較|選び方や費用相場、相談前の準備まで完全網羅

M&A相談先とは、企業の買収や合併を検討する際に、専門的な助言やマッチング支援を提供する機関のことです。

後継者不在や成長戦略としてM&Aを検討していても、「どこに相談すべきかわからない」「情報漏洩が不安」と悩む経営者は少なくありません。

本記事では、最適なM&A相談先9選を比較し、費用相場や選び方を解説します

自社に合ったパートナーを選び、納得のいくM&Aを実現するための判断材料として活用してください。

M&Aフォースでは業界に精通した専門チームが、貴社の強みを最大限に引き出すM&A戦略をご提案します。 M&Aに関して、少しでもご興味やご不安がございましたら、まずはお気軽に当社の無料相談をご利用ください。 専門のコンサルタントが、お客様の未来を共に創造するパートナーとして、親身にサポートさせていただきます。

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M&Aの主な相談先9種類の比較一覧

M&Aの相談先は、大きく分けて「専門業者」「金融機関・士業」「公的機関」の3つのカテゴリに分類され、合計で9つの主要な選択肢があります

自社の目的や予算に合わせて最適な相談先を選ぶことが、M&A成功への第一歩です。

まずは、それぞれの特徴と費用感、メリット・デメリットを一覧で確認しましょう。

相談先の種類 主な特徴 メリット デメリット こんな企業におすすめ
M&A専門業者
M&A仲介会社 売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場で交渉をまとめる。 豊富な実績とネットワークで、最適な相手を見つけやすい。 担当者の質にばらつきがあり、利益相反のリスクも指摘される。 初めてM&Aを行う中小企業。
FA 売り手か買い手、どちらか一方の利益最大化を目指す。 依頼者の利益を徹底的に追求してくれる。 交渉が長期化しやすく、手数料が高額になる傾向がある。 大規模案件や上場企業。
M&Aマッチングサイト オンライン上で売り手と買い手が直接相手を探す。 手数料を安く抑えられ、自分のペースで進められる。 専門家のサポートが限定的で、交渉の難易度が高い。 小規模案件やコストを抑えたい企業。
金融機関・士業
銀行・金融機関 取引先ネットワークを活かして相手を紹介。融資もセットで相談可能。 長年の取引関係による信頼感。M&A後の資金繰りもスムーズ。 M&A専門部署がない場合もあり、担当者の専門性に差がある。 メインバンクとの関係が良好な企業。
公認会計士・税理士 財務・税務の専門家。デューデリジェンスや企業価値評価に強み。 企業の財務状況を深く理解しており、専門的な助言が得られる。 M&Aの実務経験が豊富な専門家は限られる。相手探しは不得意。 財務・税務リスクを精査したい企業。
弁護士・法律事務所 法務の専門家。契約書作成や法務デューデリジェンスが中心。 法的リスクを事前に回避し、不利な契約を防ぐことができる。 M&Aプロセス全体を統括する役割は担わないことが多い。 法務面でのサポートを重視する企業。
公的機関
事業承継・引継ぎ支援センター 国が設置した公的相談窓口。中小企業の事業承継を支援。 無料で中立的なアドバイスが受けられ、秘密保持も徹底されている。 専門家への橋渡しが主で、直接的な交渉代行は行わない。 M&Aを検討し始めたばかりの企業。
商工会議所・商工会 地域の中小企業を支援する公的団体。 地域に密着したネットワークを持ち、地元の専門家を紹介してもらえる。 M&Aに関する専門性は限定的で、初期相談が中心となる。 地域内での事業承継を希望する企業。
よろず支援拠点 国が設置した中小企業の経営相談窓口。 経営課題全般の相談が可能で、M&Aもその一環として相談できる。 M&Aの専門家ではないため、具体的な支援は限定的。 M&A以外の経営課題も抱えている企業。

実績が豊富なM&A専門業者の相談先

M&A専門業者は、成約に向けたプロセスを一貫してサポートするため、成約率やスピードを重視する経営者に適しています。

複雑な調整が必要になるため、専門家のノウハウが不可欠です。

ここでは、代表的な3つの専門業者について詳しく解説します

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場でM&Aの成立をサポートする専門家集団です。

多くの中小企業のM&Aにおいて、最も一般的な相談先の一つと言えるでしょう。

プロセス全体の進行管理から、相手探し、条件交渉、契約手続きまで、一貫したサポートを提供してくれます

  • メリット
    • 豊富な案件情報と独自のネットワークにより、自社に最適な相手を効率的に見つけやすい
    • 交渉のプロが間に入ることで、感情的な対立を避け、建設的な話し合いを進められる
    • M&Aの経験がない経営者でも、専門家の支援を受けながら安心してプロセスを進められる
  • デメリット
    • 売り手と買い手の双方から手数料を得るため、構造的に利益相反のリスクを抱えている
    • 担当者の経験や能力に差があり、パートナーの質がM&Aの成否を大きく左右する
    • 成功報酬が高額になる場合があり、特に小規模案件では手数料が割高に感じられることがある

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ファイナンシャルアドバイザーなどのM&Aアドバイザリー

ファイナンシャルアドバイザー(FA)は、M&A仲介会社とは異なり、売り手か買い手のどちらか一方の立場に徹底的に寄り添う専門家です。

依頼者の利益を最大化することを使命とし、M&A戦略の立案から交渉、クロージングまでを支援します。

特に、企業の価値を最大限に高めて売却したい場合や、複雑な買収交渉を有利に進めたい場合に頼りになります

項目 M&A仲介会社 ファイナンシャルアドバイザー(FA)
立場 中立(売り手と買い手の間) 売り手 or 買い手、どちらか一方の代理人
契約形態 双方と契約 一方とのみ契約(アドバイザリー契約)
主な役割 円滑な取引の成立、交渉の調整 依頼者の利益の最大化
報酬 双方から手数料を受領 契約した依頼者からのみ報酬を受領
適した案件 中小企業、友好的なM&A 大企業、上場企業、複雑な交渉が見込まれる案件

M&Aマッチングサイトやプラットフォーム

近年、新たな選択肢として急速に普及しているのが、M&Aマッチングサイトやプラットフォームです。

これは、インターネット上でM&Aを希望する企業同士が直接相手を探せるサービスです。

従来の専門業者を介する方法に比べ、コストを抑えつつ、より多くの選択肢の中から自社のペースで相手探しを進められる点が大きな特徴です

  • メリット
    • M&A仲介会社に比べて手数料が格安、あるいは無料で利用できるサービスもある
    • 多数の登録案件の中から、業種や地域、規模などの条件で自由に検索できる
    • 匿名での情報登録から始められるため、事業に影響を与えることなく水面下で活動できる
  • デメリット
    • 相手探しから交渉、契約まで自社で進める必要があり、専門知識や交渉力が求められる
    • 専門家のサポートが限定的なため、潜在的なリスクを見落とす可能性がある
    • 情報の信頼性の見極めや、相手との直接交渉に多大な時間と労力がかかる

信頼関係を重視できる金融機関や士業の相談先

M&Aは、数字や契約だけで成り立つものではありません。

長年築き上げてきた事業や従業員への想いを託すプロセスであり、何よりも信頼できる相手に相談したいと考えるのは自然なことです。

ここでは、日頃から付き合いのある金融機関や士業といった、身近で信頼できる相談先について解説します

メガバンクや地銀などの銀行および金融機関

企業の経営者にとって最も身近な相談相手の一つが、取引のある銀行などの金融機関です。

特に地方銀行や信用金庫は、地域経済に深く根差しており、地元の企業情報に精通しています。

長年の取引を通じて自社の事業内容や財務状況を深く理解してくれているため、話がスムーズに進むという利点があります

メリット デメリット
長年の取引による信頼関係がある 必ずしもM&Aの専門家ではない
企業の事業や内情への理解が深い 銀行の融資方針が影響する場合がある
M&A後の融資や事業展開の相談も可能 提案が自行の取引先ネットワーク内に限定されがち

顧問税理士や公認会計士

企業の財務・税務を預かる顧問税理士や公認会計士も、頼れる相談相手です。

決算内容や株価評価、税金対策について専門的な視点から助言をくれます。

M&Aにおける税務リスクの洗い出しや、最適なスキームの提案など、専門的知見に基づいたアドバイスが期待できます

強みを発揮する場面

  1. 企業価値の算定: 客観的なデータに基づき、企業の適正な価値を算出する
  2. 財務デューデリジェンス: 買収対象企業の財務状況を精査し、簿外債務などのリスクを洗い出す
  3. 税務プランニング: M&Aに伴う税負担を最小限に抑えるためのスキームを立案する

弁護士や法律事務所

弁護士は、M&Aにおける法的リスクの回避や、契約書の作成・リーガルチェックにおいて不可欠な存在です

M&Aでは、簿外債務の引き継ぎや従業員の雇用契約、取引先との契約関係など、法的なトラブルになり得る要素が多数あります。

これらを未然に防ぎ、安全に取引を進めるためには、弁護士のサポートが欠かせません。

紛争解決のプロであるため、万が一トラブルが発生した際も対応を依頼できますが、ビジネス面での条件交渉やマッチングは専門外です

無料で相談可能な公的機関の窓口

M&Aを考え始めたばかりの段階では、「まずは誰かに話を聞いてみたい」「費用をかけずに情報収集したい」と感じる方が多いのではないでしょうか。

そんな時に心強い味方となるのが、国や地方自治体が運営する公的機関の相談窓口です。

営利を目的としない中立的な立場から、無料で親身に相談に乗ってくれます

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、国が全国47都道府県に設置している公的相談窓口です

中小企業のM&Aや事業承継に関するあらゆる相談に無料で対応し、親族内承継から第三者への譲渡まで幅広くサポートします。

必要に応じて、民間のM&A仲介会社や専門家を紹介する機能も持っています。営利を目的としないため、無理な勧誘がなく、安心して相談できるのがメリットです。

まずは公的機関で情報を整理したいという経営者におすすめです

関連:中小企業庁『事業承継・引継ぎ支援センター

商工会議所や商工会

商工会議所や商工会は、地域の中小企業支援を行う経済団体であり、経営指導員による経営相談の一環としてM&Aの相談も受け付けています

地域密着型の支援を行っているため、地元の後継者や買い手企業とのマッチングが期待できます。また、事業承継に関するセミナーや勉強会も定期的に開催されており、情報収集の場としても活用可能です。

ただし、M&A専門の部署がない場合もあり、具体的な実務支援については、外部の専門家や支援センターと連携して進めることが一般的です

よろず支援拠点

よろず支援拠点は、国が全国に設置している中小企業・小規模事業者のための無料経営相談所です

M&Aに限らず、売上拡大や経営改善など、経営上のあらゆる悩みにワンストップで対応します。中小企業診断士や弁護士などの専門家がコーディネーターとして在籍しており、何度でも無料で相談できる点が大きな魅力です。

M&Aを検討し始めたばかりで、経営課題全体を整理したいという段階での利用に適しています。具体的なマッチング機能は持っていませんが、適切な専門機関への橋渡しを行ってくれます

関連:よろず支援拠点全国本部

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M&A相談先を選ぶ際の5つのポイント

M&Aを成功させるためには、自社の状況や目的に合った相談先を選ぶことが極めて重要です。

選択を誤ると、成約までに時間がかかったり、不利な条件で契約してしまったりするリスクがあります。

ここでは、相談先選びで重視すべき5つのポイントを解説します

得意とする業種や案件の規模感が合っているか

相談先によって、得意とする業種や企業規模は異なります

例えば、製造業に強い仲介会社、IT業界に特化したブティック、大型案件のみを扱う銀行などさまざまです。

自社と同じ業種や規模の成約実績が豊富な相談先を選ぶことで、業界特有の慣習や評価ポイントを理解してもらいやすく、適切な相手とのマッチング確率が高まります。

Webサイトの実績紹介などで、自社に近い事例があるかを確認しましょう。

M&Aの実績・成約数は豊富か

M&Aの支援実績や成約数は、その相談先の実力を測る重要な指標です

実績が豊富な業者は、さまざまなパターンのトラブル対処法や、円滑な交渉ノウハウを蓄積しています。

単に成約数が多いだけでなく、成約に至るまでの期間や、どのような条件で成約したかという質の部分も確認することが望ましいです。

初回面談時に、具体的な過去の事例について質問し、詳細な回答が得られるかを確認することで、担当者の経験値を判断できます。

担当者の専門知識と熱意・相性

M&Aは半年から1年以上かかる長期プロジェクトであり、担当者との信頼関係が成功の鍵を握ります。

担当者に会計・税務・法務などの専門知識があることはもちろんですが、経営者の想いに寄り添い、熱意を持って動いてくれるかどうかが重要です

レスポンスの早さや説明のわかりやすさ、親身になって話を聞いてくれる姿勢などをチェックしましょう。相性が悪いと感じた場合は、担当者の変更を申し出るか、別の相談先を検討することも一つの手段です。

秘密保持などの情報管理体制は万全か

M&Aの検討情報が社内外に漏れると、従業員の動揺や取引先の離反など、経営に深刻なダメージを与える可能性があります

そのため、相談先が徹底した情報管理体制を敷いているかは必ず確認すべきポイントです。

秘密保持契約(NDA)の締結タイミングや情報の取り扱いルール、社内のセキュリティ体制などについて具体的に質問しましょう

信頼できる相談先は、情報管理について明確な規定を持ち、経営者の不安を取り除くための説明を十分に行います。

完全成功報酬型などの手数料体系は明確か

M&Aの手数料体系は会社によって大きく異なり、着手金や月額報酬が必要な場合と、成約時のみ費用が発生する完全成功報酬型の場合があります

契約前に、どのタイミングでいくらの費用が発生するのか、見積もりを取って詳細を確認することが不可欠です。

特に、もし成約しなかった場合でも費用が発生するのかどうかは、リスク管理の観点から重要なチェックポイントです。

後々のトラブルを防ぐためにも、料金体系が明確で、納得できる説明がある相談先を選びましょう

チェックポイント 確認すべき具体例
1. 得意とする業種や案件の規模感 – 自社と同じ業種のM&A実績はあるか?

– 自社の企業規模(売上高、従業員数)の案件を扱っているか?

– 成長戦略型か事業承継型か、自社の目的に合った実績があるか?

2. M&Aの実績・成約数 – これまでのM&A成約件数は十分か?

– 公開されている成功事例は具体的で信頼できるか?

– どのようなネットワーク(買い手・売り手候補)を持っているか?

3. 担当者の専門知識と熱意・相性 – 担当者はM&Aに関する深い知識と経験を持っているか?

– こちらの質問に対して、的確でわかりやすい説明をしてくれるか?

– 自社の事業や理念に共感し、親身になってくれるか?(相性)

4. 秘密保持などの情報管理体制 – 秘密保持契約(NDA)をどのタイミングで締結するか?

– 情報管理に関する社内ルールやセキュリティ対策は徹底されているか?

– 過去に情報漏洩などの問題を起こしていないか?

5. 完全成功報酬型などの手数料体系 – 料金体系は明確でわかりやすいか?(着手金、中間金、成功報酬など)

– 成功報酬の計算基準(レーマン方式など)は合理的か?

– 契約書に不利な条項(テール条項など)が含まれていないか?

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M&A相談にかかる料金相場と仕組み

M&Aの相談・依頼には、専門家への対価としてさまざまな費用が発生します。

事前に料金体系や相場を理解しておくことは、予期せぬ出費を防ぎ、安心してプロセスを進めるために不可欠です。

ここでは、主な料金の種類とその目安について解説します

相談料や着手金などの主な料金体系

M&Aにかかる費用は、主に以下の要素で構成されています。

契約する相談先によって採用している料金体系が異なるため、事前にしっかりと確認しましょう。

料金の種類 内容と特徴 発生タイミング
相談料 M&Aに関する初期的な相談にかかる費用。無料の場合が多い。 相談時
着手金 業務委託契約時に支払う費用。M&Aが不成立でも返還されないのが一般的。 契約時
リテイナーフィー 月額で支払う顧問料。情報収集や資料作成などの活動費に充てられる。 毎月
中間金 基本合意契約の締結時など、M&Aプロセスの中間段階で支払う費用。 基本合意時など
成功報酬 M&Aが最終的に成立した場合に支払う費用。最も大きな割合を占める。 最終契約時

相談先ごとの費用目安

相談先によって、料金体系や金額は大きく異なります。

以下はあくまで一般的な目安ですが、比較検討する際の参考にしてください

相談先 着手金 中間金 成功報酬(レーマン方式)
M&A仲介会社 0円~500万円 成功報酬の10~20% 取引額の1~5%程度
FA 100万円~ 成功報酬の10~30% 取引額の1~5%程度
金融機関 0円~ 案件による M&A仲介会社に準ずる
士業 案件による(時間報酬制が多い) なし 案件による
公的機関 原則無料 原則無料 原則無料

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M&Aの相談前に準備しておくこと

専門家への相談をより有意義なものにするためには、事前の準備が欠かせません。

自社の状況を整理し、必要な資料をそろえておくことで、相談がスムーズに進み、より的確なアドバイスを得ることができます。

相談に臨む前に、以下の3つの点を確認しておきましょう

M&Aの目的と希望条件の整理

結論として、目的が曖昧なまま相談すると、相談先の提案も曖昧になります。 中小企業庁のガイドラインでは、引退後のビジョンや希望条件の検討が事前準備として整理されています

整理すべき主な項目は以下です。

  • 目的:後継者不在の解消、成長戦略(業界再編前のEXIT)、資本提携など
  • 譲れない条件:従業員の雇用維持、取引先継続、屋号・ブランド維持
  • 価格の考え方:最低希望額、のれん(将来収益)の扱い
  • 経営者の関与:クロージング後に残る期間、役員処遇
  • スケジュール:いつまでに方向性を決めたいか

優先順位まで決めると、買い手候補の絞り込みが早くなり、交渉も一貫します。

中小企業庁『中小M&Aガイドライン

決算書や組織図などの必要書類の準備

最低限の資料がそろうと、相談先から具体的な見立てを引き出せます

中小M&Aでは、ノンネーム・シート(ティーザー)や企業概要書(IM)を作成し、買い手に段階的に開示する流れが一般的です。

初期相談で準備しておきたい資料例は以下を参考にしてみましょう。

準備すべき書類 記載されている主な情報
決算書・確定申告書 直近3~5期分の売上、利益、資産、負債などの財務状況
会社案内・パンフレット 事業内容、沿革、製品・サービス概要
株主名簿 株主構成、保有株式数、議決権割合
組織図・従業員名簿 役員構成、従業員数、組織体制
許認可・登記関連書類 事業に必要な許認可、不動産や商業登記の情報

自社の強みやアピールポイントの棚卸し

決算書などの数字には表れない「自社の強み」を言語化しておくことが、高値売却や良縁につながります

買い手企業は、単なる売上だけでなく、その背景にある「見えない資産」を評価して買収を決断するからです。

  • 特殊な技術力や特許
  • 長年取引のある優良顧客リスト
  • 熟練従業員のスキルやノウハウ
  • 業界内でのブランド力や知名度

これらを具体的に説明できるように準備し、アドバイザーにしっかりと伝えることで、買い手へのアピール材料として活用してもらえます。

M&A相談から契約までの一般的な流れ

M&Aは、初期の相談から最終的な契約締結まで、複数のステップを踏んで進められます。

プロセス全体を把握しておくことで、今どの段階にいるのか、次に何をすべきかが明確になります。

ここでは、一般的なM&Aの流れを解説します

  1. M&Aの検討・準備
    • M&Aの目的を明確にし、自社の強みや課題を整理します。
    • 信頼できる相談先を選定し、秘密保持契約を締結した上で相談を開始します。
  2. 相手企業の探索(ソーシング)
    • 相談先が持つネットワークやデータベースを活用し、候補となる相手企業を探します。
    • 候補企業をリストアップし、関心の高い企業に匿名で打診を行います(ノンネームシート)。
  3. トップ面談・交渉
    • 双方の経営者同士が面談し、経営理念や事業への想い、M&A後のビジョンなどを共有します。
    • 売却価格や従業員の処遇など、基本的な条件について交渉を行います。
  4. 基本合意契約の締結
    • これまでの交渉で合意した内容を、「基本合意書」として書面にまとめます。
    • この時点では法的な拘束力は限定的ですが、誠実に交渉を進めることを相互に確認します。
  5. デューデリジェンス(買収監査)
    • 買い手側が、売り手企業の財務、法務、事業内容などを詳細に調査します。
    • 事前に開示された情報に誤りがないか、隠れたリスクがないかなどを確認する重要なプロセスです。
  6. 最終契約の締結・クロージング
    • デューデリジェンスの結果を踏まえて最終的な条件交渉を行い、合意に至れば「最終契約書」を締結します。
    • 株式の譲渡や対価の支払いなど、契約内容を実行(クロージング)し、M&Aが完了します。

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M&A相談先を選ぶ際の注意点

M&Aは、相談先選びの段階で条件がほぼ決まると言っても過言ではありません。

ここでは、トラブルや後悔を避けるために、経営者が押さえておくべき注意点を2つに絞って解説します。

複数社を比較検討する重要性

最初に出会った1社に決めてしまうのではなく、必ず複数の相談先(2〜3社)と面談を行い、比較検討することを強くおすすめします

会社によって保有している買い手情報のネットワークが異なるほか、担当者の質や提案内容にも差があるからです。また、提示される企業価値評価額(株価)も業者によって数百万円〜数千万円の開きが出ることがあります。

セカンドオピニオンを聞くつもりで複数社に相談し、最も自社を理解し、信頼できるパートナーを選びましょう

契約前に確認すべきポイント

業務委託契約書にサインする前に、契約内容、特に「専任条項」と「契約期間」を必ず確認してください

専任条項がある場合、契約期間中は他の仲介会社に依頼できなくなり、もし活動が停滞しても身動きが取れなくなります。また、契約終了後も一定期間は紹介された買い手と直接交渉できない「テール条項」も一般的です。

これらの条件が自社にとって不利になりすぎないか、途中解約は可能かなど、契約の縛りについて納得いくまで説明を求めましょう。

自社に合った相談先を選び納得感のあるM&Aを実現する

M&Aの相談先は、仲介会社、金融機関、公的機関など多岐にわたり、それぞれに得意分野と費用感が異なります。

経営者にとって、M&Aは事業の発展や有終の美を飾るための重要な戦略です

手数料の安さだけで選ぶのではなく、実績、専門性、そして担当者との相性を総合的に判断し、自社の利益を最大化してくれるパートナーを選ぶことが成功への近道です。

まずは複数の窓口に相談し、比較することから始めてみてください

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澤口 良太
監修者

社外取締役(財務)・公認会計士・税理士 澤口 良太

北海道札幌市出身。2003年の学校卒業後、税理士事務所で勤務しながら税理士・公認会計士の資格を取得。KPMGあずさ監査法人を経て、TOMAコンサルタンツや辻・本郷ビジネスコンサルティングでファイナンシャルアドバイザリーサービス(FAS)の責任者を歴任。2020年、独立。澤口公認会計士事務所にて経営やM&Aアドバイザリーを展開している。上場・非上場を問わず企業のオーガニックソースやM&Aによる成長戦略、再生戦略の立案実行をハンズオンにて支援し、多数の実績を有する。2022年のM&Aフォース設立当初から、社外取締役として参画している。

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